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【ブログ】SpaceShift は 12 月 11 日で 15 周年を迎えました!

皆様こんにちは、株式会社スペースシフト事業開発部の堤です。今回は本日12月11日で創立15周年を迎えたことを記念して、これまでのスペースシフトの歩みと、これからの展望などをご紹介したいと思います。

■ スペースシフトの変遷

まずはざっくりとですが、これまでのスペースシフトの歴史を並べてみたいと思います。

● 2009年12月:スペースシフト設立
● 2012年03〜05月:宇宙イベント「SpaceShift」を3度にわたり開催
● 2014年07月:カプセルトイ、ウチュウカプセル発売開始
● 2014年12月:宇宙デジタルサイネージ販売開始
● 2016年03月:人工衛星キット「ARTSAT KIT」クラウドファンディング開始、100万円を達成
● 2018年:SARとAIをテーマに最初の資金調達
● 2018年:イタリアの衛星データ解析企業TRE社と業務提携
● 2019年05月:InspiredLab(現在の大手町のオフィス)に入居
● 2021年02月:シリーズAにて5億円の第三者割当による資金調達
● 2023年02月:ホームページのリニューアル
● 2024年01月:AWS のパートナー認定資格取得
● 2024年05月:シリーズBにて約6億円の第三者割当による資金調達
● 2024年05月:事業共創プログラム SateLab(サテラボ)始動
● 2024年12月:16年目に突入

2018年の資金調達以降、様々な人材が加わりました。現在のスペースシフトの持つ「衛星×AI」を活かした技術開発や事業展開に向けて、現在も国内外の沢山のパートナーと幅広い分野の検知技術の開発を進めています。

■ CEO 金本スペシャルインタビュー

15 周年にあたり、スペースシフト代表の CEO 金本に、“これまで”そして“これから”のスペースシフトについてのインタビューを行いました。( インタビュアー:事業開発部 平野 )

Q1:スペースシフトを起業したきっかけは?

自分が一生できる事業で、未来永劫残る技術を残したいと思い宇宙ビジネスを始めた。

2003年頃、アメリカに出張する機会が多く、IT業界で活躍していたイーロン・マスク( 現 SpaceX 社 CEO )がロケットを打上げていたり、IT企業が宇宙事業に進出するという動きを見て、子供時代から宇宙が好きだったこともあり、自分にもなにか宇宙で事業ができるんじゃないかと思い始めたのが宇宙業界参入のきっかけです。その後、ITコンサルとして独立していましたが、「自分が一生できる事業をやりたい」「世界の誰もやっていない、未来永劫残る技術を残したい」という思いがありました。IT業界では2,3年先輩の世代がIT業界を席巻していたので、だんだんと自分だけにできることが少なくなって来ていました。そういう意味でも、まだ誰も参入していない宇宙ビジネスが自分の活躍するべき場所と思えたのだと思います。そして、2006年ごろからJAXAにいる友人を通じて、少しずつ宇宙関連の仕事をもらえるようになり、宇宙業界の人脈を広げていきました。

 

Q1-1:「未来永劫残る」というのはいつから思われていたのですか? 

それは最初から、仕事をし始めてからずっとそう思っています。例えばインターネットの仕組みも、使われ始めてから今もずっと基本的なプロトコルや技術は同じものが使われています。ただ、自分はIT業界ではその仕組みを作る側にはなれなかったわけです。しかし、これから発展する宇宙産業であれば「仕組みを作る側に回れるんじゃないか?」と考え、今の事業を構想しました。

 

Q2:「スペースシフト」の名前の由来は?

自分と人類を宇宙にシフトさせるというダブルミーニング。

大きく2つの意味「① 自分の事業を宇宙にシフトさせたい」そして、「② 人類が宇宙にシフトする時代を作りたい」という思いを込めて名付けました。2006年ごろから宇宙に関する仕事をする際にはすでに屋号としてこの名前を使っていました。自分の人生を宇宙事業という次のステージへと「シフト」させたいという思いと、事業規模が大きくなってきたため、2009年に法人登記をしました。その頃の日本の宇宙ベンチャーはPDエアロスペース社とアクセルスペース社しかなく、スペースシフトが日本で3社目の宇宙ベンチャーでした。②については、それまでJAXAなどの政府主導が基本だった日本の宇宙産業を、民間から盛り上げ人類が宇宙を使う時代に「シフト」するような世界を作りたいという思いも込めています。

 

Q3:まさに15周年目の今、宇宙を使う時代が来ていて社名に込めた願いが実現しているわけですね。ただ、スペースシフト(以下、SS)は最初から衛星データに特化した企業だったわけではないと聞いています。これまでのSSの事業の変遷を教えてください。

 

● 2006-2009年~未開の地を切り拓く開拓者時代~

僕は1996年頃から日本国内外のIT業界で独立して仕事をしていました。Q1でお話したように、10年後の2006年頃になるとITの世界にはもう自分だけができることはないかなと思い始めました。そうして宇宙ビジネスをスタートさせたのはいいものの、自分には宇宙のバックグラウンドが何もなかったので、JAXAに大学時代の友達がおりまずはそこからコンタクトをとり人脈を広げ始めました。

Q3-1:金本さんの人脈の広さには私も他のメンバーもいつも驚いていますが、起業時にもその人脈が役立っているのですね。

学生の頃から起業しているので、スペースシフトを立ち上げる前から人脈を広げ、いろいろな人の力を組合せながら仕事をしていました。インターネット時代も前例がないことが多く、全部自分で切り拓いて行く必要があったので、自然とそういう力が身についていました。しかし当初は今のように宇宙の仕事がなく、JAXAのWebサイトの改修など、ITのスキルを使って対応できる仕事から請負ったりしていました。

● 2009-2012年~宇宙エンターテイメント時代~

2012年に金環日食があったのを覚えていますか?それに向けて色々なイベント、特に音楽イベントをやりたいと思いマーケティングやプロモーションを担いました。僕の経歴としては元々音楽レコード会社にいたり、スペースシャワーという衛星放送の音楽チャンネルのシステムのコンサルなどをやっていたので、音楽業界にも色々知り合いがいたのです。宇宙開発の仕事があまりなかったので、これまで自分がやってきたことを宇宙に絡めていくっていうのを、ひたすら2009〜2012年ぐらいまでやっていたという感じですね。 音楽と宇宙のイベントを3回実施して、2012年5月20日には金環日食を1500人以上の来場者と一緒に見る事ができました。

Q3-2: 興味があります…!具体的にはどんなイベントだったのでしょうか?

宇宙好きなミュージシャンやDJを呼んでライブをしてもらったり、JAXAの方や松本零士さんなど宇宙関連の方にも出演してもらうイベントを企画し、チケット販売もしていました。その時のイベントはそのまま「SPACE SHIFT」という名前でした。大きな音楽イベントの中で宇宙コンテンツを制作して、夜通しのイベントのあと2012年5月に金環日食を参加者みんなで見るというイベントの演出、企画を全てを行い、日食まで3回行いました。またその実績を活かして、宇宙イベントを使った映画のプロモーションを提案したりなど、ビジネスとしても模索を続けて、宇宙や天文をコンテンツ化することで事業を立ち上げようとしていました。赤字にはなっていないけれど毎回イベントをやるのも大変だし、なかなかスケールしないなと思いながらも、コンビニでのJAXAの本販売や宇宙デジタルサイネージなど他にも色々チャレンジしました。その途中で生み出したウチュウカプセルは大きな事業になるとは思っていなかったので、3万個以上も売れるなど今も人気があり自分でも驚いています。また、並行して自分が参画したエリジウムスペース社の宇宙葬事業も日本国内で進めていました。当時、松本零士さんとNHKのニュースウォッチ9に取り上げられたのもいい思い出です。

 

● 2012-2018年 ~宇宙にシフトし始めた時代~

2012年から、非宇宙企業の衛星事業の事業計画作成や、衛星や部品を世界に販売する仕事を始めていました。その後、開発した衛星がインドから打ち上げられたのですが、このロケットは自分が交渉してアレンジをして契約までこぎつけたものです。普通は代理店を通じて調達するのですが、自分の海外人脈を通じて交渉したという背景があります。その後は2016年から産総研の研究員をしていたこともあり、衛星データ解析の方がどんどん主流になっていきました。 その辺りからSAR衛星とAIの組合せを本格的にスタートしました。

● 2018-2024年 ~衛星データ×AI時代~

Q3-3:その後は2018年に最初の資金調達がありましたね。

2018年にSAR衛星データをAIで解析するという事業に力を入れて、資金調達を開始しました。社員も増えて、TRE社(イタリアの変位解析企業)との業務提携もこのタイミングでした。2019年の5月から今も入居するInspiredLabに入居し、初の大型資金調達として2021年2月にシリーズAを完了しました。

 

Q4:今までのご自身の歩みを総括していただけますか?

強力なメンバーが結集したので、未来永劫残るサービス提供に向けさらに技術を研鑽していきたい。

自分の「宇宙が好き」という気持ちをきっかけに、「世界で他にないサービスを作りたい」という思いで、たくさんの方に協力してもらいながらここまでやってきました。過去、ロケットの打ち上げやハードウエアにも携わってきましたが、結局自分が「得意なもの(=IT・AI)」と「好きなもの(=宇宙)」をかけあわせた事業に行きつきました。昨今、衛星の数が増え宇宙産業が盛り上がっている中、更にAIへの注目度も増しており、それらが高度に融合する時代になったというのは、偶然ではなく、やはり自分がやるべきことだったんだなっていうことを、今、非常に実感しています。過去2回の大きな資金調達を経て強力な仲間が集まってくれたので、皆さんの能力を結集して未来永劫残るような世界に通用する技術を作る決意をより強くしています。

 

Q5:現在のスペースシフトについてどう感じていますか?

素晴らしいパートナーと社会実装のフェーズへ。

技術的には非常に良いものができつつあり、社会実装するタイミングになったかなと思います。スペースシフトの強みは、他社さんに比べて幅広い分野の変化が解析できる点なので、これらを高度に組み合わせて様々な社会課題を解決できると考えています。社会実装に向けては、それぞれを適切なパートナーと一緒にサービス化していく点がとても重要ですし、その為にもさらに技術的な能力を磨いていく必要があります。

 

Q6:会社の規模も大きくする予定ですか?

少数精鋭のいいチームができつつある。

今のところ100人200人みたいな大きな組織にしたいと思ってはいません。過去に40人以上部下がいたこともあり、経験上把握できるのは40-50人くらいなので、その規模で勝ち抜ける、少数精鋭の組織づくりをしたいと思います。その上で色々な方に入社してもらっているんですけど、やっぱり基本的に我々の事業に興味を持って、自分の能力を生かせるんじゃないかという人が来てくれていて、思い描いていたようなすごくいいチームができてきたなという風に思っています。

 

Q7:最後に、この記事を読まれているみなさまへのメッセージをお願いします。

すでにたくさんの衛星が打上げられ、衛星データは様々な用途に利活用できる時代になりました。そこに我々のAI技術がかけ合わさることで、すべての衛星を組合せて解析することが可能になり、あらゆる用途に利用が可能です。今年5月に立ち上げた「サテラボ」をきっかけに、様々な産業分野の企業の方に興味を持っていただいており、衛星データを活用するパートナーとして事例がどんどん増えています。すべての企業が衛星データを活用して持続可能に成長していく未来を目指して、技術開発、事業開拓を進めてまいります。今後も我々の活動に注目してもらえると嬉しいです。

 

■ CxO メンバーコメント

15周年にあたり、CxOメンバーからのコメントをご紹介します。

● 葛岡 成樹 ( CSO、2019年入社 )

金本さんと初めてゆっくり話したのは、2014年米国ユタ州で開催されたSmallSat Conferenceでした。この段階では、宇宙好きが何かビジネスのネタを探しているな、という認識でしかなかったですが。じっくり話し込むと僕の大学・学部・しかも学科まで年の離れた後輩ということがわかり、しばらくは僕のコンサル会社の調査を手伝ってもらっていました。
その後「本格的に動き出すなら今だよ、これ以上歳を取るとなかなか踏み出せないよ」とついツンッと背中を押してしまったのが良かったのか。良かったのでしょう、今となっては。2017年頃からSARのOil Slick検出の業務を応援することから始め、背中を押した責任上、金本さんが本格的に動き出した2019年に正式に役員としてSSに参加しました。
長年、地球観測業務を衛星・地上処理・センサ・利用とひととおり担当してきた僕は、ビジネス化の困難性を十分知っています。この状況を打開するのは突出したキラーアプリではありません。地球観測技術の上にAIという新技術を重ねるとともに、新しいビジネスモデルの構築が必要です。当社はこの両方を同時に追求できる新しい企業になってきたのを喜ばしく感じます。

● 下村 秀樹 (CTO、2022年 入社 )

金本さん、川上さん、中村さんからお誘いいただき、この会社の先進性、将来性、人々の面白さに魅力を感じて参画を決めました。その直感のとおり、大きなビジョンのもとに、集まるべき人材が集まって、背骨がどんどん太くなっています。この2年の発展は素晴らしいと感じます。CTOとして、技術メンバーには挑戦を続けていただきたい。会社の目指す事業に向け、技術の最先端を伸ばしながら、開拓者の気持ちで取り組んでいきましょう!

● 中村 貴裕 ( CSO、2022年 入社 )

金本さんとは昔から良く知った仲であった事と、グロース前のフェーズなので、自分のレバレッジを効かせやすいなと思って、パートタイムのCSOとして2022年にジョインしました。宇宙の魅力×キャピタルライトが特徴で、宇宙業界の中でも自律性確保という新しい風を吹かせる可能性の高い、魅力的な会社だと思います。会社としての助走期間は終わり、2025年、2026年、2027年は一気に実行していくフェーズですので、乞うご期待です!

● 内藤 淳 ( CFO、2024年 入社 )

2024年5月に入社してから8ヶ月弱が経過しましたが、宇宙産業全体、スペースシフト社内ともに大きく変化、動き出していると実感しています。元々エンジニア主体の会社でしたが、お客様とやり取りをする事業開発、コーポレートの人間も増えてきていますし、より会社として成長を追求できる体制が整ってきたと感じています。若いメンバーが多いですが、各人成長に向けてアクティブに動いてくれていますし、日本だけでなく世界でも大きく成長、認知されうるポテンシャルを持っていると信じていますので、2025年から2030年ごろに向けてエクスポネンシャルな成長を達成すべく自分自身もより集中しコミットを強めていきたいと思っています。

● 川上 勇治 ( COO、2021年 入社 )

金本さんとはちょうどスペースシフトが創業した頃に知り合い、数年に一度たまに会う度に、宇宙葬やウチュウカプセルなど様々な宇宙関連ビジネスをやっているのを、宇宙好きとして羨ましくも感心して見ていました。
そんな2020年の年末、近所のロックバーに夜中呼び出され、シリーズAの資金が着金すっから、エンジニアの母ちゃんやってくれ!と声かけられ、開発管理から採用から総務まで手探りでやっていたのが、ほんの3年前。あっという間にパートナーも入れると30人近い規模に急成長し、会社のフェーズも大きく変わり、私含めメンバー全員成長が必要なフェーズに来ていると感じます。ここ数年で宇宙業界を取り巻く環境もどんどん変わっており、これからやってくる衛星データビジネス拡大の牽引役となれるよう、しっかり成長しながら引き続き会社一丸となって取り組んでいきます!

● 多田 玉青 ( CBO、2021年 入社 )

社会課題、特に自分が学生の頃から関心のあるグローバルサウスにおける環境問題の解決や持続可能な開発に対し、先端テクノロジーで貢献したいと考えている中で、シリーズAを終えた直後のスペースシフトとご縁があり入社しました。当時は社員も10名以下でしたが、約3年半で社員数や提供できる技術も増え、目まぐるしく変化する環境を日々楽しみながらお仕事をしています。シリーズBを経て事業開発部の社員も増えました。メンバーが一人増えるだけで、チームに新しい風を吹かせてくれ、対応できるニーズや顧客との関係性も向上し、本当に頼もしく感じています。「衛星データ×AI」の事業開発および市場拡大は、当然ながら一人の力では不可能です。多様性に富むメンバー全員が個々の力を最大限発揮できるような良いチームを創り上げ、世界トップクラスの高い技術力と挑戦心を軸に、これからの宇宙産業を盛り上げていきたいと思います。

 

■ おわりに

15年というと長いようにも聞こえますが、実は社員のほとんどが入社4年以下のメンバーで構成されています。この記事を書いている私も2023年の4月に入社した2年目の社員です。スペースシフトの歴史から俯瞰して見ると、関わっている時間はその五分の一にもおよびません。

ですが、私たちのような個々のメンバーがスペースシフトの掲げるビジョンに共感し、チームとして走り続けているこれまで、そしてこれからの期間は、時間とは対照的にとても濃密で充実したものであったし、あり続けると考えています。それは、メンバーそれぞれが様々な業界・バックグラウンドで活躍してきたエキスパートであり、お互いを刺激しあえる素晴らしい環境ができているからです。

金本さんのインタビューにもあったとおり、現在も新しいメンバーが加わるなど社内体制はめまぐるしく変わり、日が経つごとに力強いチームになっています。2019年の資金調達を皮切りとした、第二次創業期にあたる現在のスペースシフトは、日々勢いを増しているといえるでしょう。今月入ったメンバーも、前からいるメンバーも「衛星データ×AIで未来永劫残るサービスを作る」という思いで日々業務にあたっています。

15周年のスペースシフトはよりいっそう成長し続けますので、今後もぜひご注目ください!

 


 

弊社の技術を用いた取り組みや衛星データビジネスにご関心のある方は、ぜひ当社HPの お問い合わせフォームよりお問い合わせください。

  • 記事作成者:堤(事業開発部)

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