タンカー事故やコンビナートの被災などによるオイルスリック(石油流出)を検知し、環境への影響や流出経路の特定を行う。また、海底油田由来のオイルスリックを発見し、資源開発にも活用できる。
植物プランクトンに含まれるクロロフィルaの濃度を測定することで、高濃度の際に発生する赤潮の動態や水平分布を把握することができる。また、海水温を捉えることで、海洋環境を広範囲にモニタリングすることができ、海洋汚染対策に活用できる。
SAR衛星のデータを解析することで、海洋上の船舶を検知する。また、AIS(自動船舶識別装置)と呼ばれる船舶情報と併せて解析することで、船名や針路、目的地、船種などを識別することもできる。これらにより、海洋状況把握(MDA)に寄与する。
マイクロプラスチックの発生源となる海洋ゴミや、海洋漂流物の監視を行う。海洋ゴミ等の監視は、衛星データの利用だけではなく、海流予測モデルの情報など、外部機関等のデータや情報と組み合わせることによって、漂着予測を行うことも可能となる。
港湾への船舶の出入り状況や混雑状況の監視、不審船の監視、密輸、密航、密猟などの監視を行う。これらは、海洋安全保障に加え、船舶の運行管理や物流管理に活用できる。
石油備蓄タンクは、油の酸化を防ぐため、蓋がタンク内の石油量に合わせて上下する。この特徴を活かし、タンクの可動蓋の変位を観測することで、石油消費量を把握し、先物取引向けに価格予測を行うことができる。
海の温度分布を把握することで、暖流や寒流の潮の流れを捉え、魚の多く集まる場所を予測することができる。また、赤潮の原因となる植物プランクトンに含まれるクロロフィルaの濃度を把握することで、海洋環境のモニタリングにも活用できる。特に、沿岸部は生活排水や工場廃水が海に流れ込み、富栄養化になりやすいため、排水監視による漁場の環境保全にも繋がる。