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衛星データ解析AIの開発技術を⽣かして 地球外知的⽣命探査に挑戦します!

スペースシフトはこれまで衛星データ解析分野で培ってきたAIの開発技術を活かして、 地球外知的⽣命探査(SETI:Search for Extra-Terrestrial Intelligence)に挑戦致します。

■ 地球外知的⽣命探査について

現在、地球外知的⽣命の探索は、主に電磁波を利⽤した通信の監視(SETIプロジェクト)、遠⽅の惑星の⼤気の分析(エクソプラネットの研究)、そして太陽系内での⽣命の兆候を探す探査任務(⽕星探査機など)を通じて⾏われています。この探求は、我々が宇宙における⾃⾝の位置を理解し、⽣命の起源、進化、分布についての理解を深めることを⽬指しています。 このなかで SETI(Search for Extraterrestrial Intelligence)とは、地球外の知的⽣命体からの信号を探索し、捕捉することを⽬的とした科学的取り組みです。このプロジェクトは、⼈類が宇宙における⾃⾝の位置と宇宙の⽣命についての理解を深めるための、画期的かつ野⼼的な試みとされています。SETIの研究では、⾼度な技術と科学的⼿法を駆使して、地球外知的⽣命が発する可能性のある信号や通信を地球上で検出することを試みています。

■ SETI の⼿法について

SETI では主に電磁波を利⽤した通信の監視に焦点を当てています。使⽤するのは地球上及び宇宙に設置された、宇宙空間からのさまざまな電磁波を捉える⼀連の望遠鏡・受信機を⽤います。そこから得れられた様々な周波数帯のデータは、地球外知的⽣命が使⽤するかもしれない電波や光信号を含む可能性を有しており、そこに⽣命由来の信号が含まれていないかを検知するというのがSETIの⼀般的な⼿法です。これまでの代表的な取り組みとしては、1999年から2020年まで実施された分散コンピューティングによるSETI探索プロジェクトである SETI@homeや兵庫県⽴⻄はりま天⽂台での光学観測による取り組み(Narusawa & Morimoto(2007) )などが有名です。

■ スペースシフトの考える SETI へのアプローチ

スペースシフトは、これまで地球観測衛星から得られるデータの解析を⽬的としてさまざまなAIを開発してきました。特にSAR衛星と呼ばれるレーダーを利⽤した地球観測衛星のデータ解析技術については、元データとなる電波の波形そのものから変化検知を⾏うAIを開発しており、その電波の解析技術を、SETI の分野に応⽤します。SETI の中で検知したい信号は、観測データにおける突出した信号や現在地球上から宇宙に放出されている信号に類似したパターンです。使⽤するデータは世界各国で運⽤されている電波望遠鏡の公開データを利⽤し、AI に天体由来の信号や観測ノイズ、地球からの⼈為的な信号など様々な要素を学習させ、これまで発⾒することのできなかった、地球外知的⽣命からの信号を⾒つけ出せないかと考えています。このようなAIを使った取り組みは 2018 年ごろから⾏われていますが、AI の専⾨家を多数擁するスペースシフトの強みを活かし、より⾼度なAIによる検知を⽬指します。

この活動は熊本⼤学の⾼橋慶太郎博⼠の協⼒を得て実施します。現在同⽒の研究室では「宇宙から地球を⾒たときに、どのような⼈為的な信号が観測されるのか」などの検証が実際の電波望遠鏡を⽤いて⾏われています。スペースシフトはこれらの観測・検証結果を学習させたAIを開発することで、これまでは⾒逃されてきた信号パターンを検知可能とし、より⾼精度なSETIの実施や、RAWデータ解析(SAR衛星データを⽤いた従来の画像化処理を経ない物体検知技術)のアイデアの応⽤などを現在計画しています。

スペースシフトのSETIへの取り組みのイメージ

 

■ 熊本⼤学 ⾼橋慶太郎博⼠ のコメント

太陽系の探査が進み、太陽系の外にも多くの惑星が発⾒されるなか、地球外知的⽣命の探索は⼈類の⼤きな挑戦になっています。SETIは地球外知的⽣命を探す有⼒な⽅法の1つですが、広⼤な宇宙からの膨⼤な観測データを解析してそこから地球外知的⽣命のシグナルを検出することは⾮常に困難です。そこで、近年急速に発展しているAIはシグナル探索の効率性を⾶躍的に⾼められる可能性を持っており、AIを⽤いた電波データの解析に豊富な経験と実績を持つスペースシフト社の試みには⼤きな期待を持っています。

⾼橋慶太郎( たかはし けいたろう )

熊本⼤学⼤学院先端科学研究部教授、博⼠(理学)。静岡県浜松市出⾝。東京⼤学⼤学院にて博⼠号を取得の後、国内外の研究機関での研究活動を経て2011年より熊本⼤学に在籍し、2021年より現職。パルサーを⽤いた背景重⼒波の研究のほか、宇宙論と宇宙再電離、宇宙磁場、系外惑星などの研究を進めている。古くからSETIにも携わっており、実際の観測研究に加え講演会・メディアなどでSETIの魅⼒を伝える活動も⾏っている。

■ スペースシフト代表 ⾦本成⽣のコメント

幼少の頃から、宇宙に興味を持ち、なぜ宇宙が存在するのか、宇宙の仕組みはどうなっているのかを今も解き明かしたいと思っています。そのような興味から、宇宙ビジネスを志し、衛星データの解析ビジネスを⾏っています。この度、SETIの専⾨家である熊本⼤学⾼橋博⼠のご協⼒も得ることができ、地球外知的⽣命の存在の確認、また、まだ⼈類が到達できていない優れたテクノロジーに関する情報にふれることができるのではないかと今からワクワクしています。弊社にはAIを活⽤して、SAR衛星データなど、⾒えないものを解析する技術を開発してきた実績があります。その技術を活かして「⼈類は本当に宇宙で孤独なのか」という全⼈類的な課題にチャレンジします。

 

本リリースに関するお問合せ E-mail:sales@spcsft.com

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