Loading...
JP / EN

NEWS

【プレスリリース】スペースシフト、Space Tech Accelerator社が主導する サステナブル調達に寄与する衛星データを活用したパームヤシ農家支援アプリ開発に参画 〜宇宙×AIでインドネシアのパームヤシ農園のDX化を推進〜

株式会社スペースシフト(本社:東京都、代表取締役CEO 金本成生、以下 スペースシフト) は、Space Tech Accelerator株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 平賀元気、以下 STA社)が代表機関となり、衛星データサービス企画株式会社(SDS)、三菱電機株式会社、大日本印刷株式会社(DNP)などの関係企業とともに、「サステナブル調達に寄与する衛星データを活用したパームヤシ農家支援アプリ開発」(以下、本事業)を国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下 JAXA)の宇宙戦略基金「衛星データ利用システム海外実証(フィージビリティスタディ)」に提案・採択された事業に連携機関として参画することをお知らせいたします。本事業は、農家の生産性向上とサプライチェーンのトレーサビリティ確保を目的に実施されます。

1. 本事業の背景

近年、植物油を含む農産物のサステナブル調達への関心が世界的に高まっております。中でも植物油の市場流通量(約2億トン)のうち、4割を占める「パーム油」におけるサプライチェーンの担保は特に重要なテーマです。インドネシア政府当局もパーム油の増産を掲げているものの、同国のパームヤシ農園は小規模農家が営むものも多いため、生育状況のモニタリングを含め、生産性の低さに課題があります。また、パーム油の生産プロセスにおいて、環境負荷の高さや違法伐採、農園のトレーサビリティの不透明さなども課題になっています。近年、欧州森林破壊防止デューデリジェンス(以下 EUDR)など様々な規制が存在しますが、それらの規制に適合したサステナブル調達への対応に食品メーカー等は苦慮している状況です。

2. 事業概要

上記背景のもと、国際競争力のあるパーム油のサステナブル調達に貢献するソリューションを確立するための手段として、パームヤシ小規模農家向け支援モバイルアプリの開発を目指し、STA社が中心となって現地関係者や国内外のステークホルダーと検討を進めております。
本事業では、衛星データによるパームヤシの健康診断、AIによる農園境界の半自動抽出、トレーサビリティ構築支援アプリを統合的に開発し、2025年度内にインドネシアにて100人規模のユーザテストを実施予定です。さらに、様々な現地協力機関と連携し、アプリの社会実装に向けた実証を行います。実証を通じ、インドネシアにおける社会実装に向けた十分な技術を確立することを目標としています。
また、衛星データによる情報やデータの品質・精度を検証するのみならず、世界的に重要なパームヤシ農園およびサプライチェーンの課題に対するリモートセンシング技術の貢献について明確にし、我が国の宇宙開発をより一層加速することを目指します。

<期間・関係者>

• 期間:2025年3月~2026年(予定)
• 代表機関:Space Tech Accelerator株式会社
• 連携機関:衛星データサービス企画株式会社、株式会社スペースシフト
• 現地協力機関:IJBNET、略 他

<本事業の目的>

• インドネシアのパームヤシ農園のDX化を推進し、農家の生産効率を向上
•トレーサビリティ確保により、違法伐採や森林破壊のリスクを低減
• サステナブル調達の基盤を構築し、企業の持続可能なサプライチェーン実現を支援

出典:Space Tech Accelerator株式会社

<スペースシフトの実施項目>

• 地球観測衛星データを解析し、パームヤシ農園の境界線を生成するAIを開発することで、農園の正確な区画管理を可能にする
• パームヤシ農園の増減モニタリングを行う技術を開発し、時系列的な変化の算出を可能にする

<期待される成果>

• パーム油の生産サプライチェーンの透明性向上(トレーサビリティ確保)
• 衛星データ解析の技術成熟度の向上
• 持続可能な農業の実現と環境負荷の低減
• パームヤシ農家の生産性向上と収益最大化
• 食品メーカーなどのサステナブル調達支援

<参考URL>

• 宇宙戦略基金: https://fund.jaxa.jp/
• 衛星データ利用システム海外実証(フィージビリティスタディ):https://fund.jaxa.jp/content/uploads/kekka19.pdf?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR38_LiVVMuctBeDvO77ramC99qeMRu_3JnwNfhz3WLHshgKUy7I4G-kq_M_aem_ucmeaVx7xtVdmtWAyb0ZcA 

今後の展開

本事業で開発するアプリは、単なる衛星データによるモニタリングにとどまらず、現地ステークホルダーとの連携により、現場情報を軸とした実用的なサービスを構築することで、EUDRを始めとする国際的に求められるサプライチェーンの透明性向上や企業の説明責任強化に資する情報の提供を目指しています。今後はマレーシアやタイなど他の主要生産国への展開に加え、ココナッツやゴムなど他の農作物分野への応用も検討しており、2030年までに100万人超の利用を目指します。
スペースシフトは衛星データ解析AIのノウハウを活かして、インドネシアにおけるパーム農業のDX化と持続可能性の向上、日本を含むグローバル市場に向けた環境負荷の少ないサプライチェーンの確立に向けて取り組んでまいります。関係企業とともに、衛星データを活用した農業DXのモデルケースを確立していく予定です。

本件に関するお問い合わせ

株式会社スペースシフト (担当:多田・津田谷)
お問い合わせはこちら

【プレスリリース】都市OS・スマートシティ分野における 衛星データ活用手法をまとめたホワイトペーパー#3を公開