人工衛星データ活用による広告の高度化を通じた需給連携事業に係るJ-SPARC事業コンセプト共創プロジェクトに参画
~ 衛星データを活用し農作物の価格を予測、広告実施のタイミングを最適化 ~
株式会社スペースシフト(以下、スペースシフト)は、株式会社電通グループ(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博、以下、電通グループ)と宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、理事長:山川 宏、以下、JAXA)により、JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ( J-SPARC )(※1)のもと行われる、人工衛星データ活用による広告の高度化を通じた需要の創出と需給の最適化の実現に向けた共創活動に参画いたします。
■ 電通グループとJAXAの共創活動に連携協力者として参画
電通グループとJAXAは、人工衛星データの活用による広告の高度化を通じた需要連携事業に係る共創を開始することを発表致しました(下記の「関連のプレスリリース」参照)。
本共創活動は、人工衛星データをもとに農作物の収穫時期予測を行い、これらの情報を農作物や関連商品の販売時期に合わせた広告出稿のタイミングの調整に用いることなどを通じ、販売・広告施策にリアルタイムに反映させることで、積極的な需要創出と需給の最適化の実現を目指すものです。このような新たなユースケースにより、衛星データ利用の更なる拡大が期待されます。
本共創活動において、スペースシフトは連携協力者(下図参照)として参画し、農作物の衛星データ解析を行います。株式会社電通が開発した、テレビ広告の効果を向上させる基盤システム「RICH FLOW」に、スペースシフトが独自に開発した衛星データ解析アルゴリズムを連携させることで、該当農作物を食材として用いる調味料商材の広告出稿の種類・タイミングを最適化することを目指します。これにより、広告効果の向上だけでなく、旬な野菜の廃棄ロスを低減し、SDGs目標達成にも貢献することを目指します。
■ スペースシフトの衛星データ解析技術について
スペースシフトでは、今後増⼤する衛星データを企業や⾃治体等のエンドユーザーが効率的かつ有効に利⽤できるようにするため、衛星データ処理技術に特化した開発を⾏なっています。特に、従来では解析が難しいとされてきたSAR(合成開⼝レーダー)衛星(※2)のデータ処理に注⼒し、AIを活⽤したSAR衛星データの⾃動解析を可能とするソフトウェアを開発しています。
農業分野で従来から活用されている光学衛星データは、カラー画像で視認性に優れている一方で、曇天時や夜間は撮像できないため、農作物の作付けから収穫までを継続してモニタリングする上でデータが欠損してしまうという課題がありました。そこで、天候や時間に左右されず観測可能なSAR衛星のデータを組み合わせることで、継続的に農作物の生産状況を把握することが可能になります。
本共創活動に連携協力者として参画することで、農業分野におけるSAR衛星データのAI解析の精度向上を図るとともに、様々な農作物に適用できる解析技術の開発、及びそれに伴う新たな衛星データ活用のユースケース創出を目指します。
■ 関連のプレスリリース
電通グループ:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000741.html
JAXA: https://www.jaxa.jp/press/2022/07/20220701-1_j.html
※1:JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)
J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムです。2018年5月から始動し、これまでに30を超えるプロジェクト・活動を進めています。事業コンセプト共創では、マーケットリサーチ、事業のコンセプト検討などの活動を、事業共同実証では、事業化手前の共同フィージビリティスタディ、共同技術開発・実証などの活動を行います。
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/
※2:合成開口レーダー(SAR: Synthetic Aperture Radar)衛星
衛星自ら地上の対象物に対して電波を照射し、対象物からの反射情報から地表面を観測します。モノクロ画像であるため視認性は低いものの、曇天時や夜間でも観測可能であり、対象物の構造や材質等を特定できるという特徴があります。