【ニュース】国際学会「EUSAR 2026」「FRINGE 2026」にて研究成果を発表しました

スペースシフトは、2026年6月に開催されたSAR(合成開口レーダー)分野の国際学会「EUSAR 2026」(開催地:ドイツ・バーデンバーデン)および「FRINGE 2026」(開催地:ポーランド・クラクフ)にて、研究成果をそれぞれ発表しました。
1.EUSAR 2026概要
EUSAR(欧州合成開口レーダー会議)は、SAR(合成開口レーダー)の技術・応用に関する欧州最大級の国際会議で、1996年の初回開催から今回で30周年の節目を迎えました。VDE(ドイツ電気・電子・情報技術協会)主催のもと、チュートリアル・基調講演・技術セッションに加え、企業展示も併催される総合的なイベントで、発表論文はIEEE Xploreに掲載されるほか、Scopus・Web of Scienceにも収録されます。
- 名称:EUSAR 2026(第16回欧州合成開口レーダー会議/30周年記念開催)
- 会期:2026年6月9日(火)〜11日(木)
- 会場:Kongresshaus Baden-Baden(ドイツ・バーデンバーデン)
- 発表セッション:Poster Session P4「SAR Data Evaluation and Modeling」
- 発表日:2026年6月9日
- 発表タイトル:X-band Stereo-SAR for Building Detection and Height Measurement
- 著者:Syusuke Yasui, Hiroshi Yokoya, Fumitaka Ogushi, Kazushi Motomura, Naruo Kanemoto(スペースシフト)

2.EUSAR 2026における弊社の発表内容
本発表では、X-bandのステレオSAR画像を用いた建物の高さ推定手法について報告しました。2枚のSAR画像間で検出した対応点を地上座標に変換し、国土交通省のPLATEAU(3D都市モデル)が提供する建物データと照合することで、建物ごとの高さを推定するアプローチです。実データを用いた検証結果として、推定した建物高さと実際の高さ(グラウンドトゥルース)を比較した精度評価も示しました。会場では、国内外の研究機関などから多くの質問が寄せられました。

3.FRINGE 2026概要
FRINGEは、欧州宇宙機関(ESA)が主催するSARインターフェロメトリ(干渉SAR)分野の国際ワークショップで、Sentinel-1データを用いた地表変動解析などをテーマに、世界中のInSAR研究者・宇宙機関・企業が集まります。参加費無料で、口頭・ポスター発表に加え、InSAR関連企業の展示エリアも設けられます。
- 名称:FRINGE 2026(第13回「SARインターフェロメトリの科学と応用の進歩」国際ワークショップ)
- 主催:欧州宇宙機関(ESA)、ポーランド地質研究所、ヤギェロン大学
- 会期:2026年6月15日(月)〜19日(金)
- 会場:ヤギェロン大学(ポーランド・クラクフ)
- 発表セッション:Poster Session I
- 発表日:2026年6月16日
- 発表タイトル:Partially-Missing-Band Based Azimuth Ambiguity Suppression for ALOS-4 PALSAR-3 Variable-PRF SAR System
- 著者:Hiroshi Yokoya, Syusuke Yasui, Fumitaka Ogushi, Kazushi Motomura, Naruo Kanemoto(スペースシフト)

4.FRINGE 2026における弊社の発表内容
本発表では、JAXAのALOS-4「だいち4号」に搭載されたPALSAR-3の観測データを用いて、SAR画像特有のノイズである「アジマスアンビギュイティ」を抑制する新しい信号処理手法を報告しました。アジマスアンビギュイティは、本来とらえたい方向以外から届く電波(サイドローブ)が主信号と混ざり合うことで生じるノイズで、分解能を高めようとするほど発生しやすくなるというトレードオフがあります。今回提案した手法は、観測に使う周波数帯の一部をあえて意図的に欠落させた複数のデータを組み合わせ、ノイズの影響を受けているピクセルを検出・置換することで、分解能をほとんど落とすことなくノイズを抑える仕組みです。実データでの検証では、アジマスアンビギュイティを平均で約10dB抑制できることを確認しました。

5.おわりに
スペースシフトは、衛星データとAIの力で社会課題の解決に取り組むとともに、SAR分野における技術開発の成果を、学会という場を通じて国内外に発信しています。今後も、学会発表にとどまらず、研究成果の対外的な発信を積極的に行ってまいります。
■ 本投稿に関するお問い合わせ
株式会社スペースシフト (担当:安井・堤・真島)
お問い合わせ:https://share.hsforms.com/1-fFRnQR2QwW3c-zOTCAanQ5m0z8
Eメール:pr@spcsft.com